RiCK's dAys
土曜日, 9月 01, 2007
産科
8月29日に奈良県で、救急搬送された妊婦が隣県を含む9病院で受入を断られて救急車の中で死産、というニュースがあった。
この妊婦にかかりつけの医師がいなかった、ということからいろんな推定はできるけれども、それはそれである。
ほかのことと同様に、この事故だっていくつもの複合的な要素があるわけで、それぞれが好きな部分に注目すれば好きなだけ問題点が出てくるはずである。
今回ぼくが思ったのは我が家の幸運だ。
2ヶ月も早く破水してしまったIだって、場所とタイミングが違えば同じ憂き目に遭っていたかもしれない。Iを荻窪の病院に連れて行ったとき、エレベータホールで1時間待たされたが、それはIの主治医が受け入れ先の病院を探してくれていたからに違いなく、主治医が救急車に同乗してくださったからこそ、次の病院の担当医からすぐさま方針の説明を受けることができたわけだ。
Iが転送された母子医療センターの産科では救急用のベッドが5床あって、24時間態勢で産科医がついていてくれた。
振り返ってみれば、このリエゾンは完璧だった。この幸運はこれまでのいくつもの不幸を教訓にしたシステム整備に負っているにちがいないわけで、行政や医療スタッフのご尽力に心の底から感謝したい。そして、東京に住んでいるということにも。
去年だったか産科医が一人しかいない尾鷲市の病院で、その医師が激務と責任に耐えかねて年5千万の報酬も蹴って辞職してしまったことが話題になったけれども、そんな環境で妊婦を抱える市民は誠に気の毒だ。よく一人で一年もできたものである。医師たちはいったいどこにいったのだろう。
高校の同級生が診療科を小児科にすると言ったので「これから少子化なのになんで?」と訊いたら「少子化だからだよ」と答えた。医師としての責任とはこういうことなのだと感心した。少ないからこそ一人だって失えないわけなのだ。産科医も増えて欲しいものである
Posted by :imelda ::
7:06 午前 ::
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